新しい都会小説のジャンルをひらく、山際淳司の処女小説集。<br />冷たい風が北北東から吹き、上空1500メートルの気温がマイナス3度を下回ると、東京を春先の雪が包む。<br />大都市の空中楼閣で季節はずれの舞いを見せる男と女、ひび割れた日常の中での、つかのまの透明な時間……。<br />「人工海浜」「事件」「桜売」「タンゴ」など、奇妙な味の連作東京物語12編。<br />現代の都会人の風景を描く、新しい都会小説の味!