牧歌的風景のなかで、猟色、夫婦交換、泥棒成金などに象徴される庶民たちのしたたかさ、おおらかさを、洞察力とユーモアで語る、風流滑稽譚「田園組曲」のほか、農学者・佐藤信淵を描いた「椿園記」、蛮社の獄の周辺を観取した「妖怪譚」の歴史小説2篇をあわせて収める。<br />歴史を記録する、ユニークな杉浦文学の精髄。<br />