墓碑銘
アメリカ人の父親と日本人の母親の許に生まれた、トーマス・アンダーソンこと浜仲富夫。
日米開戦を機に、日本人として生きることを強いられる。
坊主頭で国民服を着て、剣道を習い、国策映画では悪役アメリカ人を演ずる。
そして入営。
青い眼の初年兵は、異父妹への想いを支えに、軍隊生活のつらさに耐える。
だが、山西省から米兵と対峙するレイテ島に転進。
極限状況の中でアイデンティティを問う、戦争文学の白眉。
異色の戦争文学……日米混血の日本兵、その壮絶な自己喪失の過程を描く。
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