『源氏物語』が「あはれ」の世界なら、『枕草子』は「をかし」の世界という。<br />才たけた美貌の中宮・定子の豊かな文芸サロン。<br />その自由で対等な、エスプリに溢れ、遊び感覚の男と女の交歓を、とりわけ中宮への深い敬慕をこめ、清少納言が、鋭い感性と知的批評的精神で活写した。<br />平安の華麗な中宮生活の実態をつづった、唯一の記録文学。<br />原文の巧みな表現を生かした、川瀬一馬の全訳付き。<br />