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平治物語 全訳注

壊滅的な打撃を受けた源氏とこの世の春を謳歌する平氏――。
やがて『平家物語』へとつづく、一族の明暗を分かつことになった平治の乱を題材にした『平治物語』の諸本のうち、劇的に構成された合戦や、個性を際立たせた巧みな人物造形が、流麗な文体によって描き出される四類本は、「もっとも面白い『平治物語』」と言われる。
この四類本を底本に、本文と現代語訳に加え、校訂注、読解の助けとなる語釈と解説、補注も充実した、物語世界の隅々まで楽しめる一冊。
悪源太義平がわずか17騎で、500騎の平氏を蹴散らす痛快な合戦、牛若丸ら幼い息子を必死で守ろうとする常葉の哀切、そして運命の子頼朝……。
個性豊かな登場人物が縦横無尽に躍動する合戦絵巻、いざ開幕! 時は平安時代の末、のちに「武者の世」の始まりと評された保元の乱から三年後、平治元年(1159)に平治の乱は勃発する。
上皇・天皇の近臣同士の争いに端を発する政治闘争は、待賢門と六波羅での源平両軍の激突となって噴出した。
その結果、源氏の棟梁である源義朝が敗走。
東国へと落ち延びる途中で討たれ、子息たちも命を落とし、源氏は壊滅的な打撃を受ける。
一方、見事勝者となった平清盛はこの世の春を迎え、それぞれの一族の明暗が決定的に分かれることになった――。
『平家物語』の舞台を用意したともいえる平治の乱を題材とした軍記物語、『平治物語』。
時代を越えて語り継がれるうちに、筋立てが異なる異本が複数存在することもこの物語の大きな特色の一つである。
そのなかでも、本書が底本とした「四類本」は、劇的に構成された合戦や、個性を際立たせた巧みな人物造形が、流麗な文体によって描き出される「もっとも面白い『平治物語』」になっている。
本文と現代語訳に加え、校訂注、読解の助けとなる語釈と解説、補注も充実した、物語世界の隅々まで楽しめる。
義朝の息子、悪源太義平がわずか17騎で、500騎の平氏を蹴散らす痛快な合戦、義平とは対照的に不甲斐なくて滑稽な藤原信頼、牛若丸ら幼い息子を必死で守ろうとする常葉の哀切、そして運命の子頼朝の姿……。
個性豊かな登場人物が縦横無尽に躍動する合戦絵巻、いざ開幕!




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