1986年に重文指定の「為家自筆本」を底本にした、最も新しい「土佐日記」。<br />男もすなる日記という物を、女もしてみんとてするなり……紀貫之が土佐守を解かれ、京へ帰る船旅の模様を、女の筆に仮託し仮名で綴った日記。<br />諧謔性にとむ文体と劇的構成で、仮名文学の先駆的作品。<br />定家自筆本との校異を付した決定版。<br />