昭和20年、終戦の日に父が自決。<br />それは6歳の数馬(かずま)に大きな傷を与えた。<br />成人しても信ずるものは、屏風に張る金箔の美のみ。<br />だが、傷を負ったのは、数馬だけではなかった。<br />姉・篤子、保江もそれぞれ不倫関係を重ね、不毛な愛に溺れてゆく。<br />鎌倉を舞台に、滅びというテーマを、愛憎を通して描いた不朽の名作。<br />美しくも哀しくもある純愛のかたち!