北海道・大雪山麓。<br />苛烈な自然と貧困に怯えつつ暮らす、両親と6人の子供。<br />生活の辛さ、女教師への憧れ、淡い性の目覚め、そして何より、自然と人情の美しさの中で、少年は成長していき、人生に目覚めていく。<br />その目は、重い真実と胸底の暗い澱みを見据えながら、爽やかな明るさを失なわない。<br />少年の目に映じた自然と人情の素晴らしさ。<br />まさに、著者が「ぼくの原風景」「文学の原風景」と呼ぶにふさわしい、感動的な長編小説である。<br />