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森家の討ち入り

赤穂四十七士――その中に、津山森家に縁が深いものたちがいた。
神崎与五郎、横川勘平、茅野和助。
彼らはそれぞれの理由から、赤穂藩主・浅野長矩に仕え、刃傷事件からの吉良邸討ち入り、そして最後は帰らぬ人となった。
忠義のために生きた彼らと、そこには彼らを支える、「女」たちの戦いもあった。
それぞれの忠義のために、己の生き様を貫いた男と女の姿が、そこにはあった――。
新たな忠臣蔵の傑作が、ついに登場。
『与五郎の妻』ゆいは5年前まで江戸詰めの夫と目黒の下屋敷で暮らしていた。
ところが騒乱のせいで津山森家が改易、夫とは離縁を余儀なくされる。
一度は実家へ戻ったゆいだったが、再び嫁ぎ、今は江戸作事奉行の妻となっていた。
前の夫―神崎与五郎の消息は分からぬまま、日々淡々と過ごしていた。
そんなゆいのもとに、謎の人物から、森家の家紋が入った扇が届けられた。
一体誰が、何のために。
そして前の夫は――。
『和助の恋』国家老の密命を帯びた茅野和助は先代の死去に伴い、津山森家の家督を継ぐことになった式部衆利のもとへ急いでいた。
その道中、何ものかに襲われる。
そこに通りがかった、赤穂浅野家の陣屋に住まう郡奉行・吉田忠左衛門一行により助けられる。
そこで和助は手厚い看護を、伊登から受ける。
『里和と勘平』里和は津山森家存亡の危機を阻止するため、御犬小屋に忍び込んだ。
そこで出会ったのは、かつて思い合っていた横川勘平、その人だった。
遂げられれなかった思いが再燃する二人。
だが、今は立場があまりにも違う二人がとった道は――。
他2編収録。




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