刑務所内の木工場、45分しかない昼休み。<br />8人の泥棒たちが、思い思いに自分の過去を語りだす。<br />結婚詐欺、金庫破り、暴行致傷、ノミ行為……。<br />その塀の中の懺悔の告白には、ドジあり、未練あり、なんとも可笑しく、ホロッとさせる哀愁がただよう。<br />裏人生の泣き笑い、「罪と罰」の顛末、そして人生の機微がここにはある。<br />数多くの名作を生み急逝した著者が、最後に遺した短篇小説集。<br />