幕末、迫りくる列強の魔手を憂え、海防献策のため蝦夷地に渡った青年・松浦武四郎。<br />彼の目に映じたのは、松前藩の圧政に呻吟するアイヌの姿だった。<br />水戸の志士や吉田松陰との交遊を重ねながら、彼は時代の怒涛に呑み込まれてゆく。<br />北に一生を捧げ、「北海道」の名付け親として今に知られる探検家の雄渾な生涯。<br />