結婚をめぐって揺れ動く女心をきめ細かに描き、高雅な香りあふれる短編小説集。<br />忍ぶ恋に悔いのない生き方を想い、密やかな愛のなかで男の優しさを求める女の心情。<br />「幻の辻ケ花」と呼ばれる家康着用の小袖を、京都・南禅寺でかつての恋人とともに見る知佐子を描く表題作など、現代の女の生き方を問う名品8編。<br />