江戸芝居町・中村座。<br />8代目・中村勘三郎には、二人の娘があった。<br />妾の子・お菊。<br />正妻の子・お珊。<br />気性も、抱く夢も違う二人の、娘から女への成長と葛藤。<br />市川団十郎、松本幸四郎、尾上菊五郎ら、きら星のごとき名優たちの息づかいの中に描かれる、凛々しくも、真珠のように輝く、恋物語。<br />櫓が上がり、柝(ひょうしぎ)が鳴る。<br />恋の舞台の幕が開く。<br />