木工少女
坪田譲治文学賞受賞作家が、山奥の学校に引っ越してきた少女が木、そして林業と触れ合い、木工を通じて心を伝える姿を叙情豊かに綴る。
鮮やかな手つきに目を見張った。
木片は、あっという間に女の子の形に変わり、それをわたしに差し出す。
ありふれた形だけどすぐにわかった。
ボブヘアにスカート。
太めの脚に大きな足。
「これ、あたしだ……」――<本文より>【あらすじ】英語の臨時教員として1年間限定で山奥の高校に赴任した父親といっしょに峯川村に引っ越してきた小学6年の美楽(みらく)は、「コンビニもない」ド田舎での暮らしに不満だらけ。
小学校でも同級生とうち解けることのないまま日々を過ごしていたが、ある日、山の中に工房を構える「デンさん」に出会い、木工の魅力に目覚めていく。
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