処女の白い脛を見た。<br />その刹那、主水の心身は一変した。<br />ダラリと萎えた右腕は、意志に反し、獣性を帯び、阿修羅のごとくに、無敵な神技をみせた――。<br />田沼意次の治世、麗しい旗本小普請・鈴木主水の右腕にかけられた先祖の怨讐、この「宿命」に果して克つことができるか。<br />エロティシズム横溢する伝奇時代ロマン。<br />