山口地検の赤かぶ検事・柊(|ひいらぎ)茂は、痩せて頼りなげな男である。<br />しかし、赤かぶ検事に不可能はない。<br />どんな難事件も、名推理で謎を解く。<br />由緒ある尼寺の庵主が失踪し、行方不明になって20日、古井戸から死体で発見されるという、法灯の陰に金と性の絡んだ妖しい欲望が渦巻く「破戒尼」、赤い前垂れの石地蔵の足もとに落ちていた100万円入り封筒をめぐる「涙松の怪」ほか、表題作を含む、全4編。<br />傑作・法廷推理小説集。<br />