恋とポテトと夏休み Eバーガー
第5回集英社みらい文庫大賞優秀賞受賞し、デビュー以来人気シリーズを連発中の神戸遥真氏による、アルバイト×恋愛青春小説。
憧れの先輩の後をつけ、たどり着いたEバーガー千葉中央駅前店の裏口。
出てきた店長にバイトの面接と勘違いされた優芽は…第一巻「恋とポテトと夏休み」、第二巻「恋とポテトと文化祭」、第三巻「恋とポテトとクリスマス」と続きます。
「ちゃんと言えるよな?」 すごむような口調の源くんは、ダークグレーの半袖シャツに黒のパンツスタイル、頭には赤と緑の音符の刺繍があるバイザーというEバーガーの制服姿だ。
そしてその格好はそのまま、今の私の格好でもある。
どこからどう見ても、カウンターの中にいる私は今、このお店の店員以外の何ものでもない。
補充用に持ってきたペーパーナプキンの束で、源くんは今にもどついてきそうな形相だし……。
私は思いっ切り深呼吸をし、教えてもらったばかりの挨拶を口にする。
「――いいいいらっしゃい、ませ、おはようございますっ!」本文より。
中学時代に観た演劇部の舞台に感動し、私立の新宿幕張高校を志望していたものの受験に失敗した高校一年生の優芽。
進学した新千葉高校に演劇部はなく、やる気が出ないまま味気ない毎日を送っていた。
終業式の日、なんとなく立ち寄った千葉駅で憧れていた新宿幕張の演劇部のステージに立っていた先輩・隼人を見かける。
声をかけることもできずあとをつけると、隼人は京成千葉中央駅前のEバーガーの裏口へ。
どうしたものかと裏口の前にいたところ、制服姿の店長が出てきて「何か用?」と訊かれ、答えに詰まっていたら「もしかしてバイトの面接?」と訊かれて頷いてしまう。
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