風の中のマリア
命はわずか三十日。
ここはオオスズメバチの帝国だ。
晩夏、隆盛を極めた帝国に生まれた戦士、マリア。
幼い妹たちと「偉大なる母」のため、恋もせず、子も産まず、命を燃やして戦い続ける。
ある日出逢ったオスバチから告げられた自らの宿命。
永遠に続くと思われた帝国に影が射し始める。
著者の新たな代表作。
私たちはただ務めを果たすだけ。
ある日、突然やってくる終わりの日まで。
ワーカー(ハタラキバチ)は、現代で働く女性のように。
女王バチは、仕事と子育てに追われる母のように。
この物語は、「たかがハチ」と切り捨てられない何かを持っている。
「世界が広がるはずですよ」(養老孟司―解説より―)
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