歴史が激動する時、人は結構いい加減! ――「幕末」は、テロや不況、災害に見舞われた、幕府の末期である。<br />歴史が激動する転換点に、江戸から長州征伐で出張した同心は、大坂で遊興し、元農民の歩兵は吉原で暴れる。<br />この危機感の欠如といい加減さは、現代に酷似し、身近にすら感じられる。<br />大混乱時のリアルで意外な実相をあらわす、7つの事件。<br />読売文学賞受賞作品。<br />