念仏に生き、83歳で一生を終えた、下駄職人・浅原才市。<br />下駄作りの際に出るかんな屑に書き残した、1万首に及ぶ信仰の歌……。<br />「わしのこころわ わやわやで/くもともとれの/きりともとれの/かぜともとれの」……無名の庶民の営為に心惹かれて、その謎めく生涯を深く追究した、伝記小説「才市」。<br />一所不住・清貧孤独に徹した良寛の境涯に迫る「蓑笠の人」。<br />信仰を主題の力作2篇。<br />