信長の正室・濃姫(帰蝶)の、戦国ゆえの波瀾の生涯。<br />父・道三と夫・信長との間で揺れ動く女心。<br />――道三は、嫁ぐ愛娘に「三郎(信長)が、まこと評判通りのうつけであれば、この刀で刺せ」と短刀を贈った。<br />「承知いたしました。<br />ですがこの刀は父上を刺す刃となるやも知れませぬ」……父・道三を気づかいながら、信長の正室として、愛と悲しみの日々を送る濃姫の、波瀾の生涯。<br />ほかに「義元の首級」「冑の的」を収録。<br />