妻の情事をきっかけに、家庭の崩壊は始まった。<br />たて直しを計る健気な夫は、なす術もなく悲喜劇を繰り返し、次第に自己を喪失する。<br />不気味に音もなく解けて行く家庭の絆。<br />現実に潜む危うさの暗示。<br />時代を超え現代に迫る問題作、「抱擁家族」とは何か。<br /><谷崎潤一郎賞受賞作品>