ファブリスを中心にみれば、『パルムの僧院』は宛然一個の冒険小説である。<br />―――スタンダールに魅了され、それを終生問い続けた当代屈指のスタンダリアン=大岡昇平。<br />綿密な探究と思考、対象を徹底的に見極めようとするダイナミックな意志。<br />鮮明な自己認識の大いなる軌跡を示す〈スタンダール論〉34篇を収録した決定版。<br />