いまの音 むかしの音
卓抜な論理と感覚が、20世紀芸術の本質を明らかにする。
幸福な音楽とは何か? 幸福な音とは何か? ――ピカソは、芸術とは何かをさがしまわることではなくて、何かに出会うことだといった。
そうして出会った音が何か自分にとって特別なもの、特別な意味を持っているものと感じた時、その人は音楽家になるのである。
決してその逆ではない。
音楽についての情報を頭につめこんだ音楽家には、その出会いが困難なものになる。
……昔の音をなつかしく思うのは事実である。
私が音楽を選んだのはその音によってである。
それがいま失われようとしているの
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