門番小屋のような小さな社宅を出て、郊外のモダンな公団住宅へ引っ越したナオコ一家。<br />オリンピックを目前にして、エネルギッシュに変貌してゆく懐かしの昭和30年代の東京を舞台に、繊細な少女の目を通して語られる街の表情、時代の息吹き、そして友だちや家族の肖像。<br />団地第一世代の著者が、みずみずしい筆致で描く、シックスティーズ・メモリアル! 甘くてせつない東京物語、連作短編小説集。<br />