蕪村の新体の詩「澱河歌」は、淀川を艶なる女体の横たわる姿と見立てたところに生れた……とする記念碑的な評論「『澱河歌』の周辺」以下、大胆な発想と、一字一音一句をもゆるがせにしない確乎たる鑑賞眼で、この画俳の詩句の神髄を、鮮やかに解きあかす。<br />詩心をもって詩心を探り、詩空間に遊ぶ喜びも堪能させる、鑑賞と評論の書。<br />詩人による評価高い評論とともに、44句を取りあげた鑑賞篇が圧巻。<br />詩作品の鑑賞・評論を中心とした蕪村の全て。<br />