今度生まれたら
70歳になった佐川夏江は、夫の寝顔を見ながらつぶやいた。
「今度生まれたら、この人とは結婚しない」夫はエリートサラリーマンだったが、退職後は「蟻んこクラブ」という歩く会で楽しく余生を過ごしている。
2人の息子は独立して、別々の道を歩んでいる。
でも、実は娘がほしかった。
自分の人生を振り返ると、節目々々で下してきた選択は本当にこれでよかったのか。
進学は、仕事は、それぞれ別の道があったのではないか。
やり直しのきかない年齢になって、夏江はそれでもやりたいことを始めようとあがく。
2大ベストセラー『終わった人』『すぐ死ぬんだから』の著者が放つ最新「高齢者」小説!
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