読者にも作品を書くことのエロティシズムを共有させる、研ぎぬかれた文学。<br />泉鏡花賞受賞作ーーあなたの名前で発表された小説を書いたのはわたし……との書き出しで届く奇妙な手紙は、小説を発表するたびに必らず送られてきた。<br />小説を書くことによって、初めて彼女との関係が始まるのだ……。<br />書くことに内包されたエロティシズムの悦楽と恐怖とを、読者=作者に鋭く突きつけた、現代文学の成果。<br />泉鏡花賞受賞作品。<br />