元新撰組隊士の生々流転。<br />もう一つの維新史――明治5年旧暦3月はじめ、東海道・浜松宿、日暮れどき。<br />軒を連ねる旅籠(はたご)町で、狼藉をはたらくごろつきたちの前に、ヌッと立った一人の土族。<br />元新選組隊士・中島登。<br />剣士の体の中を走る熱い血のたぎりは、登を東京へ向かわせた。<br />幕末から明治へかけ、激動の時代を生きた男の、生々流転を見事に描く。<br />もう一つの維新史。<br />