天狗童子
笛の名手である与平は、あるとき天狗様から、子供のカラス天狗に笛を教えてやってほしい、と依頼される。
九郎丸という少年は、不思議なカラス蓑を脱ぐと、人間の姿に早変わり。
このカラス蓑がなくなると、カラス天狗の姿に戻れない、と聞く。
そして、与平と九郎丸との師弟生活が始まった。
次第に九郎丸への愛情がふくらんだ与平は、カラス蓑を焼き捨ててしまおうとするが……。
鎌倉・室町時代の背景を見事にとらえ、赤い鳥文学賞を受賞した、戦国歴史ファンタジー。
◎コロボックルシリーズを生み出した佐藤さとるによる新作! ――ファンタジーのさきがけ、「鬼が島通信」連載時から単行本、ソフトカバー、そして文庫版になるまで改稿に改稿が重ねられた渾身作。
鎌倉・室町時代背景の中、師弟関係の愛情、カラス天狗同士の友情、戦が続く混乱の世で生きた人々を見事に描き、村上豊氏の挿絵とともに赤い鳥文学賞を受賞。
今までになかった歴史ファンタジー。
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