COMIC
GAME
G動画
G写真
ラノベ
通販
いいね
Rank

野鴨

はかなく取りとめない日常の中に現代の至福を描き出す長篇小説。
家族を愛し人生を慈しむ――丘の上に住む作家一家。
息子たちは高校生・大学生になり、嫁いだ娘も赤ん坊を背負ってしばしばやってくる。
ある時から作家は机の前に視点を定め、外に向いては木、花、野鳥など身近な自然の日々の移ろいを、内では、家族に生起する悲喜交々の小事件を、揺るぎない観察眼と無限の愛情を以て、時の流れの中に描き留めた。
名作『夕べの雲』『絵合せ』に続く充実期の作家が、大いなる実験精神で取り組んだ長篇。
◎庭に来る鳥や、庭の樹木から書き起こされる章が多いが、人の心が自然現象のなかに融け、照らし出されているように感じられる。
八章には、「四十雀が飛び立ったあと、水盤の水に映った空が揺れている。
」という小景描写があった。
水面が揺れているのではなく空が揺れている。
こんなところを読むと、今、見ているような気がする。
昭和の小説には、このような豊かさがあった。
<小池昌代「解説」より>




ユーザレビュー
  • 0
  • 0
  • 0



ライトノベル・小説
©LOQUY 2018-2024 AllRight Reserve.