夜は、夢魔が目覚める時。<br />夜に生をうけた人形たちは、人の世の原罪を、哀しみをまた憎悪を、その糧として生きているのであろうか。<br />……日常の営為の底に潜むもう一つの世界を、人形たちとともに旅する時、季節の移ろいは、我々をより深い酩酊へ、迷宮へ、そして破局へと誘う。<br />著者50年の苦い想いをもこめて描く、魔術の書。<br />