10年間、ひとりの男を想い続けた女が翔ぶとき――私は31歳。<br />勇介に対して友達の域を越えて接近できる、これが最後のチャンスかもしれない。<br />ひそかにそう考えて私は、勇介のマンションの近くに自宅兼仕事場を移した。<br />そんなとき私は、勇介に似た圭哉という年下の男と知り合う。<br />「十年間、一人の男を愛しつづけるということが信じられる?」私は男に訊(き)いた……。<br />