短篇の名手が贈るバラエティ豊かな秀作集。<br />人生の危険信号を軽妙に描く12篇。<br />黒い笑いに満ちた夢の宝石箱――美津子は、幼いころからよく腹痛をおこした。<br />それも肝心なときに。<br />楽しい山登りの前夜、友達の家に遊びに行くとき、就職試験の折……。<br />そして会社の同僚の並木から、遠出のドライブに誘われたときも、腹痛がおき、淡い恋は去ってしまった。<br />結局、並木は、美津子の友人・芳枝と結ばれたのだが、これには裏があった! 人生の危険信号を軽妙に描く秀作集。<br />