真夜中の散歩道、背後(せなか)に視線――白菊と曼珠沙華に飾られた、大手食品会社社長の死体が発見された。<br />巨額の遺産めあてか、会社の権力争いの果てか……。<br />美貌の未亡人と元社長秘書の間に、情事の匂いをかぎとった少壮検事・城戸。<br />老獪な弁護士との、知力の限りを尽す熾烈な闘いが始まった。<br />検事出身の弁護士であった著者ならではの迫力で描く、江戸川乱歩賞受賞作。<br />