現代史の結節点の陰に秘められた謎。<br />元外交官の著者が描く江戸川乱歩賞受賞の問題作――ソ連軍の戦車が、チェコ人民の自由を踏みにじって侵略してきた1968年8月、ひとりの日本人が、レーゲンスブルクの病院で自殺した。<br />その死に疑問を抱いた義弟の川村は、原因調査に乗り出すが、そこには恐しい事件が待ち構えていた。<br />民衆のせつないまでの自由への希求を描き、息もつがせぬ江戸川乱歩賞受賞作。<br />