小児麻痺で左足が不自由なカメラマンの「わたし」=郡司。<br />彼が高校時代、憎悪を爆発させた体操教師・木宮。<br />その娘で、郡司の憧憬と愛の対象、体操選手・とし子。<br />偏執的人形師・英三三夫。<br />左手に障害のある超能力者・亜矢……。<br />人体の極限の美を追求する者と障害のある者――「わたし」は常に計り知れない距離と対峙する。<br />二つの極を軸に、肉体と精神の微妙な領域を、’「わたし」の視点’で捉えた渾身の長篇力作。<br />