ビールの苦みが、心に寄り添う夜がある――何度でも味わいたい、極上のミステリー!若き日の面影を探して街をさまよううち、カメラマンの有坂祐二はビアバー《香菜里屋》に辿り着く。<br />十六年前に別れた恋人の名を耳にした男は、料理上手で聞き上手のマスター工藤に心をほぐされ、胸の奥底にしまっていた過去を語り始める。<br />そこには思いもよらぬ謎が――(表題作)。<br />連作短編ミステリーの傑作!解説 藤田香織