江戸市中あちこちで起きる厄介事は、なぜかこの男の許に持ち込まれる。<br />南町奉行所の窓ぎわ同心の藤木紋蔵。<br />今日もまた難事件に奔走する。<br />火事場のどさくさに紛れて、火の中に行く盗人の真意は?(「目隠し板貼り付け要求の裏の絡繰」)薬箱持ちから身を興した評判の医師の悩みの種は、自分の許に通ってくる弟子と一人娘のことだった。<br />表題作「敵討ちか主殺しか」含む8編収録の人情物語。<br />