海岸通りでひときわ目立つ三色の建物は、海産物問屋の同順泰公司である。<br />ここの3階にある干し場で、コックの杜自忠が殺された。<br />出入口2ヵ所には家人がいたのに、全然気付かぬという。<br />杜の人生は苦難に満ちていた。<br />公司の主人の親友である陶展文の鋭い推理と調査が始まる。<br />神戸を舞台にしてのびやかに描く長篇推理。<br />