何も語らずに逝った母の人生を辿る長篇小説。<br />母が残したわずかな写真と叔母の話をたよりに、雪深い新潟山平村から秩父、浅草、安倍川、天川原、市谷富久町そして葛飾白鳥へ、足を運ぶ。<br />わずかに探りあてた手懸かりには、悲しいことばかりが映しだされていた。<br />薄倖な越後の女の生に捧げる感動のレクイエム。<br />