渋谷のハチ公前に一人の貧しい青年がいた。<br />古雑誌を売って今晩のおかず代にしようとして。<br />そこにケーキの宣伝カーが現れ、美人のキャンペーン・ガールが登場した……。<br />新しい時代には、金がものを言うことを今さらながら感じた青年は、犯罪に手を染めてでも……。<br />アプレな戦後成長期の日本、そこでもがく若者たちを描いた傑作。<br />戦争中に「糞尿譚」で芥川賞を受賞した作家の手による戦後の作品。<br />