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江戸の暴れん坊

鳶太郎は旅に出た。
「蛮社の獄」で身辺に危険が迫ったので、崋山・長英らのすすめで、しばらく難を避けようと、家督を弟にゆずり、住みなれた江戸をあとにした。
両国の骨つぎ・名倉の門弟を名乗り、股旅姿の身軽なひとり旅……のつもりであった。
高輪の大木戸を出ると、鳶太郎を待ちうけていたのが、年の頃なら19かはたち、ひどくあか抜けのしたお侠な下町っ子・お夏、次いで六郷の渡しで供に加わったのが、度胸と足が自慢の木更津屋佐平。
さて、三人旅の行手に次々起こる剣難女難。
鮮やかな鳶太郎の秘剣が舞って、胸のすくような、山手文学十八番の娯楽大作!




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