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小次郎と武蔵の間

佐々木小次郎が宮本武蔵に敗死した後、豊前細川家では長い間、兵法者を召し抱えていない。
藩主・忠利が、小次郎の死を哀惜したからに外ならぬ。
10数年後に、その忠利が見出したのは、二階堂流の松山主水であった。
知行800石で召し抱えられた主水は、軽捷無類、魔法としか思えぬ剣の妙手であった。
忠利は、小次郎と流祖を同じくする主水を寵愛した。
肥後に国替えになった細川家で、やがて忠利と父・忠興の間に、新旧の相剋が起こる。
忠興の家来が主水に辱しめられた事件は、火に油をそそぐ結果となり、「主水、討つべし」と忠興は激昂するのである。
武芸者の意気地を描く「小次郎と武蔵の間」ほか8篇。




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