四月の岸辺
群像新人文学賞から現れた、揺らぐ時代の表現者。
第63回群像新人文学賞優秀作を受賞した「四月の岸辺」と、それに連なる飛躍作「導くひと」を収録する第一作品集。
「四月の岸辺」評より――「この小説でしか表せなかったなにかが読まれてほしい、この先を書いてほしいと思った」柴崎友香氏 「マイノリティであっても非マイノリティと同様に平穏な日常生活もある様子を丁寧に描きつつ、マイノリティ同士でもどちらかが加害者になってしまう瞬間を厳しく捉えた、たいへん頼もしい小説」松浦理英子氏 「導くひと」評より――「信心とは洗脳の牢なのか、篤信と狂信の境は。
入れ子構造を折々に反転させる語りが固定観念を揺さぶる。
デビュー作からの大脱皮だ」鴻巣友季子氏(朝日新聞「文芸時評」2021年4月28日)これは、つづきの物語。
「四月の岸辺」:三人の従姉妹たちと暮らす「私」は、スカートをはいて通った小学校を卒業し、ぶかぶかの詰襟を着て中学校に通い始めた。
みずからを「森の子ども」と呼ぶクラスメイトの少女と、ささやかな交流が始まるが――。
「導くひと」:テロ事件を起こした教団を離れ、東京からひとり山梨の集落に移住した男は、子ども時代を「森の共同体」で過ごしたという青年と出会う。
彼の眼はあまりに澄んでいた――。
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