銀色の牙
影の多い国際都市・香港――そこでは、国籍は何の保証にもならない。
日本商社の駐在員・越見は、ある日、友人のジョニイ劉が、アパートで殺されているのを発見した。
間もなく、ヨットの遭難で話題になった男たちが、つぎつぎに殺される。
そして、阿片窟の常連、元日本軍参謀、暗い過去のある大貿易商、美貌の女画家などの、もつれた糸のような動きに巻き込まれた越見にも、黒い殺人者の手が伸びてきた……。
サスペンスに富んだ巧緻な物語の中に、落し穴を持つ現代の人間関係をさぐった、この野心的な長篇は、行動派の作者が華麗な才質を注いだ本格小説である。
更新中です。しばらくお待ちください。