汚れた夜
雨の井ノ頭公園の池に車が落ち、その中で女が死んでいた。
残された男もののライターから、婚約者の秋月という男が浮かびあがったが、彼にはアリバイがあった。
罠のにおいがした。
そのにおいを頼りに、ひとりの刑事が動き始めた。
すると、秋月のシロを証明した女が殺され、つづいてその女の部屋で、もうひとり中年の男の屍体が発見された。
行方をくらました秋月は、いったい被害者なのか、加害者なのか? ……手さぐりで事件の核心に迫ろうとする刑事の行動の軌跡によって、戦争の傷痕と政治の腐臭とを、生き生きと描き出した、本格的な社会推理小説である。
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