紅の鞘に納められた細身の刃。<br />ゼンは師から譲り受けたその剣だけを友に山を下り、旅に出る。<br />師であるカシュウは死んだ。<br />ゼンに旅立つよう言い残して。<br />親も知らず、山奥で育てられた理由もわからない。<br />だが山での生活は、ゼンを強く、賢くした。<br /> 道を極めるためのあてどない修行の旅。<br />剣を構え、しのぎを削り、出会いと別れを重ねながら、多くに気づき学び取るゼン。<br /> 動的でありながら内省的な侍の成長を描く、傑作剣豪小説!