マヤがわたくしの家に着いた時は、片手にのる程の小さな犬だった。<br />マヤは、はじめに抱いてくれた次男に、一番なついていた。<br />ニワトリのピピ、ネコのペルとも仲良く暮していたが、戦争が激しくなった時、国からマヤを殺すようにと通知が来た――戦時下、動物と人間との愛のドラマを淡々たる筆致で描いた、動物文学の名作。<br />赤い鳥文学賞受賞。<br />