ここを永住の地と決めている人が、はたしてどれだけいるだろうか。<br />新しい都会生活の様式=団地。<br />10数万人がそれぞれに群がり生きている。<br />鉄筋の壁を隔てて恋人同志が暮していることもあれば、挨拶を交さない隣同志もあろう。<br />職業も生活も千差万別。<br />そして、やがてはまた離ればなれになっていく……。<br /> この巨大なマンモス・ビルの中に住む人々の哀歓を、1話1話にまとめて大きな反響を呼んだ、沢野久雄氏の評判小説。<br />